米エネルギー省が、新型天然ガス「シェールガス」の増産で価格が下がっている液化天然ガス(LNG)の対日輸出を解禁することを決めた。第1弾は、中部電力と大阪ガスが参画するフリーポート(テキサス州)のプロジェクト。2017年から始まる見通しで、火力発電用のエネルギー調達コストの上昇に苦しむ日本に朗報となりそうだ。
米国はLNGの輸出を原則的に自由貿易協定(FTA)締結国に限っているが、シェールガスの開発ブームで輸出拡大を求める声が高まり、政府が是非を検討していた。
エネルギー省は、フリーポートに対し、1日当たり最大14億立方フィート(約4000万立方メートル)のLNGを20年間輸出することを認めた。中部電と大阪ガスは合計で、日本の年間LNG輸入量の約5%に相当する年440万トンのLNGを輸入する計画。
両社は「事業開始に向けて前進した」との歓迎コメントを発表した。同省は他の対日輸出計画も審査しており、「個別に判断する」としている。