フィリピン国家経済開発庁(NEDA)は国際協力機構(JICA)の支援を受け、北部ルソン島のイフガオ州とイサベラ州にそれぞれ小規模水力発電施設を設置する。無償資金援助額は4億4100万ペソ(約10億9400万円)。現地紙インクワイアラーなどが報じた。
イフガオ州の小水力発電施設は、発電能力約800キロワットで、同州で必要とされる発電容量2400キロワットの3分の1に相当する。完成予定は2015年2月。
売電収入から得られる利益は、世界遺産にも登録されているイフガオ棚田群の保全や修復を目的に設立された「イフガオ棚田保全基金」(RTCF)に充てる。
イサベラ州には既設の潅漑(かんがい)設備を利用した小水力発電施設を設置する。発電能力は約150キロワットを見込む。
フィリピン政府は30年までに再生可能エネルギーによる発電容量を10年比の3倍(1620万キロワット)に引き上げる目標を設定。国産の再生可能エネルギーの利用を促進している。(シンガポール支局)