政府は9日、国が主導して、規制緩和や税制優遇措置を行う新たな「国家戦略特区」の導入に向け、具体策を検討する作業部会を設置することを決めた。内閣官房の下に有識者委員による部会を設け、制度の設計や事業計画をとりまとめる。地域の魅力を高め、国内外の企業の誘致拡大につなげる狙いで、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の成長戦略の柱に据える。14日にも発表する。
同部会の助言・報告に基づき、新藤義孝地域活性化担当相が新たな特区を絞り込む計画だ。
特区制度は現在もあるが、自治体や企業などからの提案を受けて、各省庁が審査するため「省庁側が嫌がる規制緩和や税制優遇措置は認定されにくい」(政府関係者)との指摘がある。これに対し、新たな国家戦略特区は、企業などからの提案なしでも、首相が政治主導で特区を認定するため、政権の経済政策を反映させやすい。
政府の産業競争力会議でも、新たな特区を東京、大阪、愛知の3大都市圏などに設けることを検討している。政府は、同会議の議論に基づき、具体的な制度設計を作業部会で詰める。
国家戦略特区では、地域を限定して法人税を大幅減税するほか、カジノを含めた大型リゾートの導入などを検討する。
これにより国内企業や海外企業の誘致も促す狙いがある。地域の国際競争力の強化で、ヒト・モノ・カネを呼び込み、成長戦略の加速につなげたい考えだ。