新年度の4月から暮らしや企業活動に関わる制度が変わる。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」に伴う円安進行で輸入品の価格が上昇し、食料品や電気料金などが値上がりする。
給料が上がらなければ、家計には大きな痛手だ。一方で、希望者全員の65歳までの雇用確保の義務付けや、新しいリサイクル制度、高齢者から若い世代への資産移転を促す税制も始まり、生活スタイルを考えるきっかけにもなりそうだ。
値上げの動きは、食料品などの生活消費財で顕著だ。輸入小麦の政府売り渡し価格が平均で9・7%上がり、大手製粉メーカーは家庭用小麦粉の値上げを検討する。
円安や輸入に頼っている原材料の高騰で、食用油の一部メーカーも出荷価格を値上げする。製紙メーカー各社も、ティッシュペーパーやトイレットペーパーの出荷価格への転嫁を検討している。光熱費では、原油や液化天然ガス(LNG)の輸入価格上昇の影響で、電力・ガスの大手14社が一斉に値上げする。