政府は22日、消費税率の引き上げの際に、企業が増税分を商品やサービス価格に円滑に転嫁できるようにする特別措置法案を閣議決定した。今年10月の施行を目指す。柱は「消費増税還元セール」の宣伝禁止。還元分の負担を仕入れ先の中小企業に押しつける恐れがあるためだ。ただ、規制がかからない、通常のセールとの線引きは曖昧なまま。法律で販促を縛られかねない小売業界は違法かどうかの指針を示したガイドラインの早期策定を求めている。
「消費活性化に重要な販促活動が萎縮しないよう、政府にはお願いしたい」。スーパー各社が加盟する日本チェーンストア協会の井上淳専務理事は、政府が打ち出した消費税還元セールの禁止にこうクギを刺す。
安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」に期待した円安・株高の進行で企業や消費者の景況感は改善したが、一般家庭の財布のヒモは固いまま。全国スーパーの既存店売上高は2月までに12カ月連続で減少し、コンビニエンスストアの売上高も9カ月連続で落ち込んでいる。