安倍晋三首相は12日の衆院予算委員会で、国産タマネギの値下がりや、株価上昇により、復興財源を拡充できたことなどを引き合いに出し、安倍政権の経済政策「アベノミクス」が、国民生活に密接な分野で効果を上げてきたと説明した。
安倍首相は、日本維新の会の村岡敏英議員の質問に円高が是正されたことで、「中国の輸入タマネギより日本のタマネギの方が安くなった」と紹介。「十数年ぶりに日本の方が安くなった。がんばった人が酬われる社会が近づいているなと実感している」と述べた。
また、民主党の長妻昭議員の「アベノミクスで格差は拡大するのか」との質問に対しては、株価の上昇によって「(公的年金の積立金の運用で)5兆円の運用益が出た」と回答。「消費税2%(引き上げ)分」と、年金財源が増加するとした。
さらに11日に売り出し価格が決定した政府が保有する日本たばこ産業(JT)株の売却でも、民主党政権時代に約5000億円と見込まれていた売却益が、株価上昇で約9700億円に増えたことを説明。「4700億円も被災地のために使えるようになった」と、国民生活への効果を強調した。