慢性的な電力不足状態にあるインドで、新幹線を走らせるための安定的な電力をどう供給するかも問題だ。高速鉄道建設に、原発の増設など社会インフラの整備も足並みをそろえさせる必要がある。
さらにセミナー出席者の一人は「テロの懸念」を指摘する。グジャラート州を含むインド各地では、イスラム教とヒンズー教などの宗教間の対立による虐殺事件やイスラム過激派によるテロが相次いでいる。
新幹線が高速運転から停止するのに4キロの走行が必要で、仮に線路を爆破されれば、大規模な事故になりかねない。高速鉄道実現には、治安の確保も避けて通れない問題になっている。(アーメダバード 岩田智雄)