日銀は14日の金融政策決定会合で、海外経済の持ち直しの動きなどを踏まえ、足元の景気判断を「下げ止まりつつある」とし、1月の前回会合で示した「弱めに推移している」から上方修正した。景気判断の引き上げは2カ月連続。一方、金融政策は現状維持とし、追加金融緩和を見送った。
白川方明総裁は同日の記者会見で、米国や中国の経済が改善傾向にあり、最近の円安も日本の輸出の下支えになる上、内需も底堅いと指摘。日本経済の先行きについて「年央にかけて緩やかな回復経路に復していく」との見通しを示した。
また、金融政策の据え置きを全員一致で決めた。日銀は1月、2%の物価上昇目標導入と、2014年初めから無期限で国債などを買い入れる新たな緩和策を導入することを決めており、これまで打ち出した政策の効果を慎重に見極めるのが適当と判断した。
一方、日銀が推進する金融緩和をめぐっては、先進国の一部や新興国から「円安誘導」との指摘が出ている。これについて、白川総裁は「国内経済の安定という目的のために行っている。為替相場への影響を目的にしているわけではない」と否定。モスクワで15日から開かれる20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議で、日銀の金融緩和について説明し理解を求める考えを示した。