財務省が24日発表した2012年の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は6兆9273億円の赤字となった。第2次石油危機で原油価格が高騰した1980年の2兆6129億円を大きく上回り、過去最大となった。年間の貿易赤字は2年連続。
過去最大の貿易赤字は、海外から資源を輸入し、自動車などの輸出で稼ぐ貿易立国の日本が岐路にたっていることを浮き彫りにした。13年以降も貿易赤字の傾向は続くとみられ、日本経済の競争力を高める成長戦略が求められる。
12年の輸出額は前年比2.7%減の63兆7446億円で2年連続で前年割れとなった。輸入額は3.8%増の70兆6720億円と3年連続で増加した。海外経済の減速や歴史的な円高で輸出が落ち込む一方、原子力発電所の停止に伴い、代替する火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)や原油の輸入が膨らんだことが響いた。