経済産業省は、大手電力会社の発電と送配電を分ける「発送電分離」の実現に向け、具体的な制度設計の詰めを急いでいる。
送配電会社を設立して持ち株会社の傘下に置く「法的分離」を軸に、有識者会議の「電力システム改革専門委員会」(委員長・伊藤元重東大大学院教授)が2月にも改革案をまとめることに対応。法的分離の時期などを盛り込んだ工程表を含めて運用体制を明確にし、電力市場の競争活性化を早期に実現したい考えだ。
専門委は発送電分離の導入にあたって、法的分離と、地域ごとの送電網の運用を中立機関に任せる「機能分離」の2案に絞って検討していたが、21日の会合で法的分離案を支持する方向でほぼ一致した。
発送電分離は、欧米に比べて割高な電気料金を引き下げるため経産省が2001年ごろから提唱してきたものの、大手電力側は「発電と送電の一貫体制が安定供給に欠かせない」として、強く反対してきた経緯がある。