2012.11.5 08:10
【漢江経済リポート】
韓国経済に斜陽の兆候が現れ始めている。ウォン高の進行で輸出企業を牽引(けんいん)役に成長を維持するというモデルが崩れつつあるというのだ。
専門家の間では、米投資銀行の破綻を契機とする2008年秋のリーマン・ショック当時よりも悪化するとの長期見通しも出ている。こうした中、経済関係当局や財界は「日本型デフレ」の回避を意識する一方、国民の間には長期不況への対処法で「再び日本に学べ」との認識も生まれている。
成長見通し下方修正
中央銀行の韓国銀行は10月11日、これまで3.0%としてきた2012年の経済成長見通しを2.4%に、13年は3.8%から3.2%に、それぞれ0.6ポイントの大幅な下方修正を発表した。
原因はウォン高と、輸出に過度に依存する経済構造だ。韓国は政府主導のウォン安政策を取り、サムスンや現代などの巨大輸出企業を支え、韓国経済を牽引させてきた。リーマン・ショックなどからいち早く脱却し、「奇跡のV字回復」を成し遂げた背景にもウォン安があった。