「コンプガチャ」規制検討で暗雲 SNSゲーム大手2社、株価急落 (2/2ページ)

2012.5.8 05:00

 国内のソーシャルゲーム市場は今年度に4年前の70倍となる約3500億円に拡大する見通し。グリーは8日、DeNAは9日に決算発表を控え、ともに好業績が予想されている。だが、今回の問題は急成長がもたらした“ひずみ”ともいえ、「2社の業績を揺るがしかねない」(アナリスト)との懸念も広がっている。

 DeNAが運営する「mobage(モバゲー)」などにゲームを提供するKlab(クラブ)は「既に改修の検討を始めており、消費者庁から中止要請があった場合は全面的に従う」としている。

 収益モデル再構築も

 一方で、インターネット課金ビジネスを取り入れようとする家庭用ゲーム機メーカーにとって、当局の規制は収益回復策への大きな妨げとなる。

 「構造的に射幸心をあおり、高額課金を誘発するガチャ課金型のビジネスは、お客さまとの関係が長続きするとは考えていない」

 任天堂の岩田聡社長は、ガチャ課金を取り入れることはない考えを示している。ただ、追加のゲーム内容のダウンロード販売も本格化させる任天堂は、携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」のダウンロードソフトを小売店の店頭やウェブサイトでも、購入できる決済方式を8月から導入するなど、新しい課金ビジネス作りの真っ最中。当局の規制が水を差すことがないよう、盤石のモデルを構築しなければ、高収益体質を取り戻すことは難しい。(高木克聡)


リアルマネーに揺れるSNSゲーム 犯罪防止へ規制強化