「実は、われわれの世代がほしい車。たぶんシニアが動くよ」。豊田章男社長(55)が発売前にこう話したように、トヨタとしてもある程度は想定内の反応だった。「86」の開発担当者は「リタイア後は、自分の楽しみを優先したいというシニアはスポーツカーを待っていた」と、してやったりだ。
「大人は『ひじき』より『とんかつ』でしょう」
コンビニ大手のファミリーマートが2010年に立ち上げた50~65歳向け商品の開発を手がける「おとなコンビニ研究所」。第1弾の商品となる弁当の開発にあたり、和食の総菜を主体にしようとしたファミマのスタッフに、シニアの交流ネットワーク組織「クラブ・ウィルビー」の男性会員が猛烈に反論した。
結局、第1弾の3品には鹿児島産黒豚を使った「ロースとんかつ弁当」などが採用された。昨年11月には東京・代官山にシニア向けコンビニの1号店をオープン。売り場には、有機食材を使ったボリュームのある弁当やイタリアン総菜などが並ぶ。
クラブ・ウィルビーを主宰し、ファミマの研究所長に招かれたメディアプロデューサーの残間里江子氏(62)は、こう言う。