関電に工程表策定を指示 原発暫定的安全基準を正式決定

2012.4.7 05:00

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 野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚は6日、首相官邸で関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)3、4号機の再稼働を協議する3回目の閣僚会議を開き、原発再稼働に必要な暫定的な安全基準を正式に決めた。これを受けて枝野経産相は中長期的な安全対策の工程表の策定を関電に指示。一方、工程表の内容を確認する必要があるため、想定していた週内の安全性確認と、枝野経産相の8日の地元入りは見送られた。

 会議には藤村修官房長官、細野豪志原発事故担当相も出席。枝野経産相は会議後の会見で、暫定基準について「原発事故から得られた知見を検証し、国民にとって分かりやすい形で整理したものだ」と話した。

 政府は関電から工程表の提出を受けた後、首相と3閣僚による会議を再び開き、3、4号機の安全性と工程表の妥当性を確認する。さらに関電管内や、電力融通が容易な中部・西日本地域の電力需給状況も踏まえ、再稼働の是非を判断する。

 枝野経産相は会議に先立ち、「(工程表の内容には)すでにやり始めていることも少なからずある」として、策定に時間はかからないとの見方を示した。また暫定基準には実施済みの対策が多く、3、4号機はクリアできるとみられている。ただ、工程表の策定には一定の時間がかかることから、枝野経産相が8日にも現地入りして、福井県の西川一誠知事に再稼働への同意を求めることは先送りした。

 暫定基準は、外部からの電源供給が途絶えた場合でも原子炉を冷やして重大事故を回避できるよう、電源車やポンプ車の配備などの短期的な安全対策を求める内容。送電網の強化などの中長期的な対策については電力会社に工程表の提出を求める。

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