官民で宇宙産業の輸出強化 政策金融活用、JAXA法も改正 (1/2ページ)

2012.3.13 05:00

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 政策金融の実施や技術開発態勢の強化などで、政府が衛星や宇宙分野の輸出振興に乗り出すことが12日、明らかになった。

 4月に内閣府に設置する「宇宙戦略室」の役割を強化するほか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)設置法も改正して民間にも技術を開放する。いずれも13日に開く宇宙分野の輸出を検討する大臣会合で了承する。同分野は欧米やロシアの牙城で、中国などの追い上げも激しいが、アジアを中心とした技術の売り込みに国が本格支援する。日本の自動車やテレビなどの国際競争力が相対的に低下する中で、官需が中心だった宇宙分野の輸出を後押しすることで、新産業育成につなげるのが狙い。

 宇宙戦略室は、約10の省庁にまたがる政策調整を行う司令塔の役割を果たすが、これに加え国際協力銀行(JBIC)の融資や国際協力機構(JICA)による円借款など政策金融の実施を決める役割も持たせる。

 政府は昨夏に決まったベトナム向けの人工衛星輸出に初めて円借款を活用した。これに続いて政策金融を活用、当面はタイ向けの衛星売り込みにJBIC融資、モンゴルやフィリピンなどの災害対策向け衛星には円借款供与も検討。その後も体系的に地球観測衛星を売り込む。