■4つの税を知ることが財務のイロハ
中国へ投資を行う日系企業にとって「中国子会社の財務」は非常に頭の痛い問題の一つではないかと思います。「2010年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ)によると、中国ビジネス上のリスクとして税務の問題点は第5位、項目別ビジネスリスクで「税務の問題点」を挙げた日本企業の進出先として中国が第1位(29.3%)となっており、中国進出日本企業の約30%が現地税務に頭を痛めていることが分かります。このように、資金や税務の問題への対処は重要な課題です。
この問題に対して適切に対処しなければ、過大な税金負担を強いられて中国事業に影響を与えてしまいます。ここでは、最低限のポイントを押さえて対処法を考えていきましょう。
◆税の基礎知識
日本のビジネスマンは「中国の税法」というだけで苦手意識を強く感じるようです。「分からない。難しい」「うちの中国子会社の経理担当者に何度聞いても理解できない」「税務局の言うことが毎回変わり、対処できない」-。そんな声がよく聞こえてきます。
しかし、あらかじめ基礎知識を頭に入れておけば、決して理解不能ではありません。中国ビジネスの担当者にとって最低限の必要知識は以下の4つです。まずは、これだけを理解しておきましょう。