販売額ベースで年間1500億元(約1兆8900億円)に達する中国の小型家電市場。無数のメーカーがひしめく玉石混交の市場整理に向け、当局が製品規格の強化に乗り出すとの観測が出ている。
中国紙の北京商報(電子版)によると、家電の業界団体である中国家用電器協会はこのほど、小型家電の大手メーカー数社と共同で製品別の規格を制定した。新たに公布される見通しのこの規格により、「関連メーカーのうち3分の1が淘汰(とうた)されることになる」(同協会の幹部)という。
低い参入障壁
中国では生活水準の向上にともなって消費者のニーズが多様化。こうした中、家電では需要の成長点が洗濯機やテレビなどに代表される基本的な家電から、電子レンジやアイロンといった小型家電に移りつつある。
中国メディアが報じた家電関連の調査会社・北京中怡康時代市場研究のデータによると、厨房(ちゅうぼう)・浴室機器を含めた小型家電業界の今年1~9月期の販売額は1094億元で前年同期比16%増加、通年では1500億元に達する見通しだ。
一方、同協会の調査リポートによれば、1家庭の小型家電の保有数は欧米の約40個に対し、中国は10個未満と飽和状態にはほど遠い段階にあり、市場の潜在力は依然として大きい。小型家電は買い替えサイクルが比較的に短いこともあって、「(メーカーの)収益はテレビや冷蔵庫などの家電製品をはるかに上回る」(業界関係者)という。
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