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元監督は謝罪を 怒りの女医 チェルシー「場外戦」見えぬ収束

2016.3.9 00:00

7日、和解協議に姿を見せたエヴァ・カルネイロさん(中央)=ロンドン(AP)

7日、和解協議に姿を見せたエヴァ・カルネイロさん(中央)=ロンドン(AP)【拡大】

  • ジョゼ・モウリーニョ氏
  • SANKEI_EXPRESS__2016(平成28)年3月9日付EX(1面)

 今季、不振にあえぐ英サッカープレミアリーグの名門、チェルシーをめぐるゴタゴタが続いている。元チームドクターの女医、エヴァ・カルネイロさん(42)が、当時監督だったジョゼ・モウリーニョ氏(53)から性差別的な暴言を吐かれたうえ、退職を強要されたとして、クラブとモウリーニョ元監督に対し法的措置に踏み切ったからだ。カルネイロさんはクラブ側に退職強要があったと認めさせ、元監督にも公の場で謝罪するよう求めているが、元監督は応じようとはせず、問題は一向に収束しそうもない。チェルシーはピッチの外でも悩みが深そうだ。

 ■暴言受け退職…提訴

 7日付英紙デーリー・テレグラフやデーリー・メール(いずれも電子版)などによると、騒動の発端は、昨年8月8日に行われた今季のリーグ開幕戦、対スウォンジー・シティ戦。

 試合後半、相手選手のタックルで倒れ込んだMFエデン・アザール選手(25)の要請を受けた主審の指示でカルネイロさんはピッチに入った。サッカーの試合ではよくある光景だが、モウリーニョ監督(当時)は激高して、彼女にポルトガル語で「売春婦の娘」などと罵(ののし)った。

 医師がピッチに入れば、対象選手はいったんピッチ外に出なければならず、試合再開後も主審の許可が出るまで戻れない。このとき、既に退場者を1人出していたチェルシーは一時的とはいえ、11人対9人という数的不利な状況に追い込まれたのだ。

 試合は結局2対2で引き分け、開幕戦で格下相手につまずいたチェルシーは現在も低迷を続けている。モウリーニョ元監督は、この試合で勝てなかった腹いせもあり、カルネイロさんの行為を「軽率で衝動的」と非難。さらに8日後の16日、彼女のベンチ入りを禁止し、トップチームからの降格処分を下した。

 ■和解協議に現れず

 この処分を不服として9月にチームを去ったカルネイロさんは翌10月、一連の行為は自分への退職強要であるとして、南ロンドンのクロイドン労働裁判所に謝罪や賠償請求などを求め、提訴した。

 結局、チェルシーは成績不振もあって昨年12月、モウリーニョ元監督を解任したが、互いにクラブを離れたから解決というわけにはいかない。元監督は彼女の言い分を認めるつもりはなく、今月7日の和解協議にも姿を見せなかった。

 カルネイロさんの弁護士であるメアリー・オルーク氏は英テレビ局ITVに「われわれは、今日、問題が解決するとは(もともと)期待していない。双方には大きな隔たりがある」と説明。さらに「われわれはモウリーニョ氏に、公の場に出てきて謝罪することを要求している」と怒りをあらわにした。

 カルネイロさんは英の海外領土、ジブラルタル生まれ。父はスペイン人、母は英国人で、英ノッティンガム大で医学、ロンドン大学クイーン・メアリー校ではスポーツやエクササイズ学で修士課程を修了。2009年にチェルシーのチームドクターとなった。

 一方のモウリーニョ元監督はこれまでもスペインの名門、レアル・マドリードを率いるなど、世界最高の監督のひとりで知られ、チェルシーでの年俸は1000万ポンド(約16億円)だった。ところが試合中の下品で差別的な暴言や、勝てなかった際には選手、主審、クラブ首脳をはじめ、メディアやピッチ、照明などにまで八つ当たりするなど悪名が高かった。

 それでも、その手腕は高く評価されており、同じ英プレミアリーグの強豪マンチェスター・ユナイテッドの来季監督に最有力視されている。だが、今回の問題がこじれれば、破談になる可能性も指摘される。

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