「ドアが勝手に開く」「照明が不気味に点滅する」…などと訴え、都市部のアパートへの住み替えを訴えた。移民局の担当者は「気のせいだ。施設に戻るように」と説得したが、38人は聞き入れず、移民局の事務所前でテント生活を続けている。
また、ノルウェーとの国境に近い森の町、リメツフォシェンでは最近、バスで移送された約60人のシリア難民のうち3分の1が「ここには店もないし、寒すぎてとても住めない」として、バスから降りることを拒否する騒ぎがあった。
人口比で欧州一
昨年9月、シリア難民の男児の溺死体がトルコの海岸に打ち上げられた写真が全世界で衝撃を与えると、スウェーデンでは警察官たちが「私たちの美しい国へようこそ」と歓迎する動画をフェイスブックに投稿し「私たちは皆、同じ権利と義務を持つ対等な人間だ。あなたたちがこの国で安全だと感じるように何でもする」などと呼びかけ、話題になった。
その結果、スウェーデンは昨年1年で15万人以上の難民を受け入れることとなった。従来は仮設アパートなどを難民に開放していたが、とても間に合わなくなり、現在では仮設テント、教会、軍兵舎、刑務所施設から古い防空壕(ごう)までも活用して急場をしのいでいる。それでもまだ、約3万人分の収容施設が不足しているという。難民対策の国家予算も膨れ上がり、今年は約70億ドル(約8400億円)にも達する見込みだ。