中韓共同による世界最大の動物クローン工場建設計画が、物議を醸している。建設予定地は中国北部の港湾都市、天津市だ。年間100万頭の高級肉牛などの家畜やペット犬、果ては絶滅危惧種の動物までもクローンで“大量生産”するという。中国では2000年以降、食肉需要の高まりから、牛や豚のクローン作りが活発化しているものの、安全性が証明されていない状態。交流サイト(SNS)では早くも大量の批判が噴出している。
ペット・絶滅危惧種も
英経済紙フィナンシャル・タイムズや英紙デーリー・テレグラフ(いずれも電子版)などによると、工場建設を進めているのは中国のバイオ企業「ボヤライフ」と、韓国の「スアム生命工学研究院」。スアムは05年以降、550匹の子犬のクローンを作り、販売した実績があるとされる。
スアムを率いる黄禹錫(ファンウソク)・元ソウル大学校獣医科大学教授(62)は、05年に世界で初めてクローン犬作りに成功したが、その直後に胚性幹細胞(ES細胞)論文の捏造(ねつぞう)が発覚、研究成果を疑問視する声も少なくない。