「インドに行ってくる!」
ご家族や身近な友人から突然そう言われたら、あなたはどう反応するだろうか?
2015年8月、私はインド南部を訪問するツアーを引率した。「チャイルド・スポンサー」として毎月4500円の寄付をしてくれる皆さまに、支援活動を視察してもらうツアーだ。熱波による死者が出ていることや、女性への暴行事件が報道されたこともあってか、申し込みの出足は鈍かった。締め切りを延長するなどの調整を経て、なんとか催行が決まった。一般的な観光ツアーとは異なり、支援地訪問ツアーは快適とは言い難い。だが、「かけがえのない体験」ができるのも事実だ。そう確信していた私は、催行が決まった瞬間、心の底から湧き上がるようなうれしさを感じた。その確信は現実となり、10人の参加者と私を含め2人の引率スタッフから成る「チームインド」は、すっかりインドに魅せられて帰国したのだ。
今回訪問した地域は、インド南部のタミルナドゥ州。成田空港から約9時間のフライトでデリーに到着。国内線を2回乗り継ぎ、車に乗り換えて宿泊先のホテルへ。支援地の村には、さらに四輪駆動車を約2時間走らせて、ようやくたどり着いた。