米映画「ダラス・バイヤーズクラブ」(2013年)を違法にダウンロード(DL)した約4700人に損害賠償を求めるため、映画の著作権を持つ「ダラス・バイヤーズ・クラブLLC」社が、オーストラリアのプロバイダー業者6社に対してDL者の氏名と住所の個人情報提供を求めている問題で、豪州の連邦裁判所は16日までに、提供を受けるのなら“個人情報料”として1人当たり約1万1600円をLLC社がプロバイダーに支払うよう命じた。名前と住所だけとはいえ、個人情報の軽重の判断が注目されたが、権利を侵害された側に安くない料金を負担させるという意外とも受け取られる裁定は、今後続発が予想される同種の裁判にも影響を及ぼしそうだ。
「ダラス・バイヤーズ」
「ダラス・バイヤーズクラブ」は、米俳優、マシュー・マコノヒーさん(45)が主演し、1985年の米国を舞台に「エイズで余命30日」と宣告された電気技師でロデオ・カウボーイの男性が、当時は米国には少なかった治療薬を探すためメキシコへ向かい、密輸を試みて国内未承認薬を販売するクラブを設立するというストーリー。実話に基づき、日本でも2014年2月に公開され、米アカデミー主演男優賞などを受賞したヒット作品だ。