世界保健機関(WHO)が4日に発表した砂糖の摂取量に関する新ガイドラインが欧米で物議を醸している。WHOではこれまで成人の砂糖摂取量について、1日に摂取する総カロリー量の10%未満が望ましいと定めていたが、今回の新ガイドラインでは、生活習慣病の予防に望ましい水準として、従来の半分の5%未満に厳格化した。ところが5%という数字は砂糖換算だと25グラムでティースプーンわずか6杯分。欧米では缶入りソーダ(340ミリリットル入り)1本がティースプーン10杯分(約40グラム)の砂糖を含んでおり、新ガイドラインだと1缶で1日の摂取量を超過する。そのため専門家から「5%は現実的ではない」といった反論が出ている。
現行基準すら順守できず
WHOの栄養部門の責任者、フランチェスコ・ブランカ博士は、新ガイドラインの発表会見で「われわれが砂糖に注目する理由は、それが多くの国々で公衆衛生上の懸念となっている体重増や肥満の増加と大きく関係するためである」と明言。そのうえで、従来通り10%未満を推奨値としながらも、心臓病や糖尿病、ガンといった不健康な食生活と関連する生活習慣病の予防には5%未満がより望ましいとする新ガイドラインを説明した。