【Ｑ＆Ａ】「イスラム国」　異教徒に敵意　「最も豊かなテロ組織」 (1/3ページ)

　日本とヨルダンの人質を殺害したとする映像を流し、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の脅威が、あらためて衝撃を与えた。

　Ｑ　「イスラム国」というけれど、国なの？

　Ａ　アラビア語で「ダウラ（国）・イスラミーヤ」と称するイスラム教スンニ派の武装組織で、国ではない。以前は「イラク・イスラム国」「イラク・シリアのイスラム国」と名乗っていた。従来のテロ組織と異なり、「国家」をつくろうとする意思が明確だ。

　Ｑ　領土があるの？

　Ａ　イラクでシーア派主導の政権に不満を持つ北部や中西部のスンニ派住民の地域で急速に勢力を広げた。シリア内戦でアサド政権が弱まった隙に、シリア北部で他の反体制派から拠点を奪うなどして支配地を増やした。昨年６月にはイラク北部の大都市モスルを制圧、シリア・イラク国境を越えた「広い領土」があると世界に見せつけた。

　Ｑ　力の源泉は？

　Ａ　支配地域はチグリス、ユーフラテス川が流れ古代文明も栄えた豊かな地域だ。油田も点在する。原油密売に加え、人質に対する身代金、遺跡の盗掘などで資金を得て「世界で最も豊かなテロ組織」と呼ばれる。イラク軍から最新鋭の重火器を奪い、兵力も脅威だ。

イラク戦争の「亡霊」