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【イスラム国事件】「交渉ルートなし」 揺れた日本政府 救出果たせず (1/4ページ)

2015.2.9 05:15

ヨルダンの首都アンマンの日本大使館前で行われた後藤健二さんと湯川遥菜(はるな)さんの産追悼集会で、ろうそくに火をともす人たち=2015年2月2日(ロイター)

ヨルダンの首都アンマンの日本大使館前で行われた後藤健二さんと湯川遥菜(はるな)さんの産追悼集会で、ろうそくに火をともす人たち=2015年2月2日(ロイター)【拡大】

  • ジャーナリスト、後藤健二さん_シリアでの足取り=2014年7月28日~10月25日
  • 人質をめぐる「イスラム国」との関係=2015年1月26日現在。※後藤健二さんの顔写真は、インターネットに公開された画像から
  • イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」空爆に参加した主な中東諸国=2015年2月5日現在
  • イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の支配地=2015年2月2日現在

 卑劣な犯行が日本に衝撃を与えたイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人人質事件は、フリージャーナリスト、後藤健二さんの「殺害」という最悪の結末を迎え、8日で1週間が経った。テロとの戦いは、たとえ人道支援だとしても、国際テロの標的になる新たな局面に入ったのか。身代金や身柄交換要求でいや応なく突き付けられた「命の重さ」。国家として救出責任をどう果たすべきかでも揺れ続けた。問いは安倍晋三首相、政府だけでなく、国民に重くのし掛かる。経過をまとめた。

 昨年8月に一報

 政府は昨年8月中旬、湯川遥菜(はるな)さんがシリア北部でイスラム国に拘束されたとの情報を受け、隣国ヨルダンにある大使館に現地対策本部、官邸に情報連絡室をひそかに設置した。

 首相は情報収集を指示したが、湯川さん拘束情報や安否の確認は難航した。イスラム国は米軍が空爆対象とする過激派組織で、日本との接点は「皆無」(外務省筋)。警察当局と連携したが「芳しい成果は得られなかった」(外務省筋)という。

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