2015.2.2 10:35
これは月へ行った鴉(からす)の物語。世界に否定された者の存在を証明するための旅…。
ナレーションが終わると、舞台の左右から、後方からバック転や後方宙返りで、突然9人の若者がまるで空から舞い降りたように現れた。
男子新体操とダンスを融合させた新感覚のプロパフォーマンスユニット「BLUE TOKYO(BT・ブルートーキョー)」が1月24、25の両日、青森市で行った舞台公演「BLUE」の1シーンだ。
BTは青森大学新体操部OBによるユニット。2013年からスタートした舞台「BLUE」は地元凱旋公演で、1年で最も青森らしい冬のこの時期に開催。BTに加え、大学王者の青森大学と系列の名門、青森山田高校の新体操部、ジュニアによる「BLUE TOKYO Kid’s」が出演した。
過去2回の公演は、学生がメーンとなった新体操とダンスの発表会という趣だった。しかし、3回目となる今回は、人間国宝で歌舞伎役者の坂東玉三郎(64)が絶賛するダンスカンパニー「DAZZLE(ダズル)」を特別ゲストに迎え、主宰の長谷川達也さん(38)が振り付けだけでなく、脚本と演出を担当。DAZZLE作品と同じように、出演者がせりふを口にすることはないものの、全編にナレーションをかぶせた明確なストーリー仕立てで、ダンスや新体操の動きに芝居的な要素を取り入れた作品となった。