2011年5月に米海軍特殊部隊「シールズ」が国際テロ組織アルカーイダの最高指導者、ウサマ・ビンラーディン容疑者を暗殺した作戦をめぐり、元隊員が「射殺したのは自分だ」と名乗り出て物議を醸している。元隊員は米メディアのインタビューで「至近距離から銃弾3発を撃ち込んだ」などと当時の状況を明かした。退役後、定職に就けず離婚し年金ももらえない不遇の生活への不満から告白を決断したという。自らがかかわった作戦について公にすることはタブーとされており、米軍関係者はカンカンだ。歴史的作戦を成功に導いた“英雄”にメディアも非難を浴びせている。
名乗り出たのは、モンタナ州に住むロバート・オニール氏(38)。11月6日付米紙ワシントン・ポスト(電子版)がインタビューを掲載したほか、米FOXテレビも近くインタビューを放映する。
退役後の不遇に不満
ポスト紙によると、オニール氏は2012年に海軍を退役するまで16年間、主に特殊部隊に所属し、チームリーダーとしてイラクやアフガニスタンなどで約400回の作戦に参加。「最も困難な状況で最も困難な作戦を静かに遂行する超エリート」と紹介されている。