米アップルが、超大物ロックバンド「U2」の新作アルバムを約5億人のユーザーに無料配信する大サービスを行ったところ、「欲しくもないのに勝手にダウンロードされた」との苦情が殺到した。U2に関心のない若者たちが、貴重な記憶容量を占領されたことに怒りを示したもので、アップルは16日までに、大あわてでデータを削除できるようにした。楽曲データを同時受信再生する「ストリーミング」が人気を集めるなか、楽曲をいちいちダウンロードしなければならないアップルの時代遅れぶりも露呈。プレゼント作戦は完全に裏目に出た。
107億円支払ったが
全11曲の新アルバム「ソングズ・オブ・イノセンス」の無料配信は、アップルが9日開いたスマートフォンの新機種「iPhone6」と「6プラス」の発表会に、U2がサプライズ出演し大々的に発表された。音楽配信サービス「iTunes(アイチューンズ)」を利用している世界119カ国の約5億人は、10月13日まで無料でダウンロードできる。
米メディアによると、アップルはU2側に1億ドル(約107億円)を支払ったという。