デング熱の国内感染が相次いで確認された問題で、東京都は4日、渋谷区の都立代々木公園で採集した蚊からデングウイルスを検出したと発表した。ウイルスを持つ蚊が見つかったのは初めて。
開園以来初めて
都は感染拡大を防ぐため、この日午後、代々木公園をサッカー場などの一部を除いて閉鎖した。閉鎖は1967年の開園以来初。園内に設けた調査地点10カ所のうち4カ所で蚊からウイルスが検出された。厚生労働省などによると、デング熱の国内感染は12都道府県の計59人となった。重症化した患者はいない。いずれも代々木公園かその周辺を訪れていた。
都によると、閉鎖したのは54万平方メートルのうち、中央広場やサイクリングコースのある北側の44万6000平方メートル。当面立ち入り禁止とし、再開時期は未定とした。国立感染症研究所の専門家らが4日、公園を訪れ、蚊の生息状況などを調べた。5日以降、生態系への影響を考慮しながら蚊を駆除する。
都は捕獲した蚊のうち、ウイルスを媒介する可能性がある種類の蚊276匹を遺伝子検査した。調査地点別に、最大30匹をまとめて調べる方法を採用。その結果、4カ所で5回、ウイルスが検出された。都は少なくとも5匹がウイルスを保有していたとみている。