独自の「便利な装置」
3DCGで描くのにあえて冒険物語ではなく、静かな日常の生活に題材を求めたのはなぜだろう。「映画の冒頭からすでに登場人物がみんな友達で、『さあ冒険に出かけるぞ』というノリには、違和感を覚えました。出会いという人間関係の根っこから丁寧に描きたかった」と山崎監督。
CG映画の楽しさを日本に根付かせることに心血を注いできた八木監督も「小さいお子さんに加え、大人が楽しめる作品を作りたかったから」と言葉を継いだ。もっとも、ドラえもんのポケットにある数々の道具は人知を越えた事態を招く取り扱いに注意を要するものばかり。山崎監督は「タケコプターで空を自由に飛ぶこと自体がスペクタクルなものでしょう。皆さんは忘れていませんか?」と強調した。
ドラえもんの体内には、セワシの意向に反する言動を取ると、たちまち厳罰が与えられる「成し遂げプログラム」が組み込まれており、これは本作独自の設定だ。