≪静かな墓所でファラオは眠る≫
ツタンカーメンは、古代エジプト第18王朝第12代目のファラオ(王)。「世界大百科事典」などによると、在位、前1347頃~前1338年頃。トゥトアンクアメンとも表記され、「信仰復興王」と呼ばれる。誕生名はツタンカーテン(トゥトアンクアテン)で、王族の出身と考えられる。イクナートン(第18王朝10代の王アメンホテップ4世)の三女、アンケスエンパアテンと結婚して王位継承権を得た。9歳のころ即位、はじめアテン信仰を奉じたが、「宗教改革」の放棄に踏み切り、信仰復興の勅令を公布して、アメン信仰以下伝統的な多神教信仰を復活させ、王都もアテンの都アケトアテン(アマルナ)からメンフィスに移すとともに、名をツタンカーメンと改名した。
ルクソール西岸の「王家の谷」にあるツタンカーメン王の墓は、黄金のマスクをしたミイラや財宝が見つかったことで知られる。財宝類は首都カイロの考古学博物館で公開され、王墓では壁画などが見られるが、湿気や温度変化による彩色部分の剥離などが問題となっていた。
ツタンカーメン王のミイラは実物の墓の中でガラス容器に収められ、温度などの管理が行き届いた状態で保存されているという。(EX編集部/撮影:AP、ロイター/SANKEI EXPRESS)