【佐藤優の地球を斬る】
リベラル派知識人の佐高信(さたか・まこと)氏が、最近出版した山崎行太郎(やまざき・こうたろう)氏との対談本で、産経新聞前社長の住田良能(すみだ・ながよし)氏(昨年(2013年)6月11日逝去)について興味深い証言を残している。少し長くなるが、住田氏の人柄を伝える貴重な内容なので関連部分を引用しておく。
社論と異なる意見広告
<佐高 私は以前『福沢諭吉と日本人』という本を書いたんですが、福沢諭吉について書かないかと勧めてくれたのは、産経新聞前社長の住田良能なんです。住田とは慶應の同窓で5、6人で昼食会をやっていた仲間だったんですが、そこで住田から福沢を書く気はないかと言われた。
福沢諭吉の時事新報は潰れた後、産経が引き取った形になっているんです。それで住田としては、福沢没後何周年かだったので、福沢について何かやりたいと思ったんでしょうね。(中略)