新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文不正問題で、理化学研究所の小保方晴子(おぼかた・はるこ)研究ユニットリーダー(30)が4月9日開いた記者会見。科学者としての未熟さや不勉強を謙虚に反省する一方で、「STAP細胞はある」と明言。自身の言葉で謝罪と反論を重ねた。
証拠は不十分
調査委は最終報告で、STAP細胞がさまざまな細胞に分化できる万能性を示す重要な画像が、小保方氏の博士論文に関連する別の実験画像から流用されていた点を捏造(ねつぞう)と断じた。小保方氏側は「勘違いによる取り違えだった」として「真正画像」を提出したが、調査委は根拠が不明とした。
これについて、小保方氏は会見で「写真(画像)を撮ったことについては(調査委に提出した)実験ノートに記述してある」と説明。ただ「自分でやった実験を書いたノートなので、自分には十分内容が分かるが、第三者の理解という点で反省している」と、真正なことを示す証拠としては不十分と認めた。
その上で「実験ノートよりも強い証拠がないか調べて、第三者が納得する形で用意したい」と話した。