中国と台湾が互いの一層の市場開放に向けて昨年(2013年)調印した「サービス貿易協定」に反対する台湾の学生らが立法院(国会に相当)を占拠している問題で、馬英九(ば・えいきゅう)総統(63)は3月23日、総統府で記者会見し、「国家発展のため、選択肢はない」と強調、協定を早期に承認する必要性を訴えて学生らに議場からの退去を呼びかけた。だが、学生らは協定撤回を求めて占拠の継続を表明。(3月)18日から続く前代未聞の議会占拠は長期化の様相を呈し、野党の思惑も錯綜(さくそう)して事態は泥沼化しつつある。台湾では「太陽花学運」と呼ばれている“ヒマワリ革命”はどこへ向かうのか。
馬総統「競争力を向上」
馬総統は会見で、地域における台湾の貿易自由化の遅れを指摘したうえで、協定は「台湾の競争力を向上させる。自由化が遅れて最も喜ぶのは競争相手の韓国だ」と述べた。報道陣から、協定をめぐって「中国からの圧力」があるかと問われると、「全くない」と否定。学生らに一定の理解を示しつつも、占拠の違法性を指摘した。