サイトマップ RSS

不明機 意図的に通信遮断 マレーシア首相「ハイジャックも」

2014.3.16 00:05

 8日未明にマレーシアのクアラルンプールを北京に向けて離陸し、消息を絶ったマレーシア航空370便ボーイング777(乗客乗員239人)についてマレーシアのナジブ・ラザク首相(60)が15日、記者会見し、消息を絶つ前に何者かによって航空機の通信装置が意図的に切られ、西方向に針路を変えて長時間飛行し続けていたとみられることを明らかにした。その上で首相は「ハイジャックも含めて全ての可能性について調査している」と述べた。会見に先立ち米軍関係者はAP通信に「機体捜索の重点はインド洋に移る」と明言。当初、捜索の焦点とみられた南シナ海周辺は方向違いであることが濃厚になった。

 ボーイング777クラスの航空機の場合、通常機体には20本以上の通信アンテナが備えつけられ、地上の管制当局と音声でやりとりするための無線装置のほかに、自機の位置や機種などを自動的に信号で知らせる「トランスポンダ」や、所属する航空会社と文字情報で交信できる「エーカーズ(ACARS)」など、数多くの通信装置・手段が搭載されている。

 ■6時間40分後まで

 ナジブ首相は会見で370便は「主要な通信手段が人為的に切断された」と断言した。午前0時41分にクアラルンプール国際空港を離陸し、午前1時7分に地上の航空会社にエーカーズで正常な飛行状況を示すデータが送られてきたがこれを最後にエーカーズが途絶えた。さらに午前1時21分にトランスポンダからの情報が途絶えたという。

 その後、370便は予定どおり北東に進み、マレーシアの管制に対して「管制区域がベトナムのホーチミンに移る」と最後の通信をした後、午前1時30分ごろに管制のレーダーから機影が消えた。しかし、マレーシア軍のレーダー情報を米軍とともに解析したところ、西に針路を変え、午前2時15分にマラッカ海峡のペナン島の北西の沖合で航跡が消えた。

 さらに、切断されていなかった370便と通信衛星の自動通信は、南シナ海上で消息を絶ってから約6時間40分後の午前8時11分まで続いていたことも首相は明らかにした。最後の通信地点は正確には特定できていないが、通信衛星のカバー地域から推察して「タイ北部からカザフスタン、トルクメニスタン両国の国境にかけて」と「インドネシアからインド洋南部にかけて」を挙げた。

 ■「操縦はプロ」

 旅客機の操縦席では通常、エーカーズやトランスポンダの電源を操作することはなく、切断には専門知識も必要であることから、首相は人為的切断との見方を示した。また、針路の取り方や管制当局との通信が途絶えた後の航跡、飛行状態は安定していることから、「操縦はプロによるもの」と断言。何者かが機長(53)を脅して操縦させたハイジャックの可能性があるとした。

 ただ、2001年9月の米中枢同時テロ以降、旅客機のパイロットは、たとえ乗客が殺害されたとしても、コックピットのドアを開けないというのが航空業界常識になりつつある。警察当局は15日、機長の自宅を捜索したが、捜索の背景については明らかにしていない。

 また、飛び去った方向がカザフスタン方向だとすれば、陸の上空を飛んだことになり、領空侵犯で通常はスクランブルを受けるはずだ。このため専門家たちは、インド洋方向に飛び去った可能性が高いとみている。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ