ウクライナをめぐり米露が激しく対立するなか、両国の宇宙飛行士3人が3月11日、そろって国際宇宙ステーション(ISS)から地球に無事帰還した。ISSの運営などに関する米露の協力体制について、米航空宇宙局(NASA)は「全て通常通り」と強調する。ただ、ISSへの“送迎”はロシアの宇宙船ソユーズが一手に引き受けており、関係が悪化すれば輸送手段のない米国の飛行士の帰還に不安が生じかねない。このため、米政府は民間企業による「宇宙タクシー」計画を強力に支援しロシア依存からの脱却を急ぐ構えだ。ウクライナ情勢が宇宙にも波及している。
滞在飛行士、仲良く帰還
中央アジアのカザフスタンに広がる雪原にソユーズ宇宙船で無事着陸した3人は、ロシアのバイコヌール宇宙基地のスタッフに出迎えられ、がっちりと手を握り合った。帰還したのは、ISS船長の任務を日本の若田光一さんに引き継いだロシアのオレク・コトフさん(48)とセルゲイ・リザンスキーさん(39)、米国のマイク・ホプキンスさん(45)の3人。