《安倍晋三首相(59)や閣僚が、アジアの(ドイツ指導者アドルフ)ヒトラー(1889~1945年)である東條英機陸軍大将(首相/1884~1948年)らA級戦犯を祀(まつ)る靖國(やすくに)神社を参拝している》
1月21日付イスラエル紙に載った中国大使の寄稿だ。歴史認識が間違いと認識しながら世界中で繰り返す猟奇的謀略で、毎回反論せねばならぬ。一方で2013年12月末、ユダヤ系団体サイモン・ウィーゼンタール・センター(本部・米国)の非難声明は憤るより悲しかった。曰(いわ)く-
「亡くなった人を悼む権利は万人のもの。だが、戦争犯罪や人道に対する罪を実行するよう命じたり、行ったりした人々を一緒にしてはならない」
失望理由の一つは、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の記録保存や反ユダヤ主義監視を行い、国際的影響力を持つ組織なのに、正確な国際法制史を学んでいない?点だ。「人道に対する罪を実行するよう命じたり、行ったりした人々」は靖國にお祀りされていない。
日独を同一視
《人道に対する罪》は第二次世界大戦の独降伏後、ドイツ人を裁くため1945年8月8日、ニュルンベルク裁判の基本法・国際軍事裁判所憲章で初めて規定。(a)平和に対する罪(b)殺人と通例の戦争犯罪(c)人道に対する罪-が、国際軍事裁判所で所管する《犯罪》とされた。