【国際情勢分析】
インドで大規模な反レイプデモの引き金となった女子学生=当時(23)=の集団レイプ事件の発生から1年がたった。ちょうど1年目となった12月16日には、女子学生の死を悼む集会が首都ニューデリーで開かれ、事件の再発防止を求める声が上がったが、女性に対する性暴力が相次ぐ事態は何も変わっていないのが現状だ。
与党惨敗の一因に
「私たちの涙は、まだ乾いていない。毎日が過ぎ去るに連れて、彼女の思い出は強まるばかりだ。家の中では、いつも誰かが泣いている」
インド紙アジアン・エイジによると、女子学生の父親は、集会でこう訴えた。母親は、レイプ被害者の支援のための基金を設立する意志を表明した。
女子学生が集団レイプ被害に遭った乗り合いバスに乗り込んだバス停でも追悼集会が行われ、約600人の学生が参列し、花輪やろうそくが備えられた。
この事件では、犯行手口のあまりの残忍さや都市部の中間層の女子学生の死に刺激された若者らがインド各地で大規模な反レイプデモを連日行い、政府は今年3月、レイプ犯に最高で死刑を適用する法令を成立させた。