顧客本位の不動産取引を実現しようとする試みが広がっている。覆面調査で不動産業者の接客ぶりを評価。複数の業者に売却物件の価格を査定させて選べる無料サービスもある。専門知識や情報に乏しい消費者に比べ、業者が優位とされる格差を解消する狙いがある。
ことし10月、埼玉県上尾市内の賃貸マンションに引っ越した女性会社員(19)は、首都圏を中心に不動産仲介を展開するタウンハウジングの上尾店を利用した。未成年で赤ちゃんも抱え、マンション管理会社からの審査も厳しい中、希望物件と契約できた。
女性は「他の業者ならさじを投げたと思うが、親身になって物件を探してくれた。不動産業者の印象が変わった」と感心した様子。
上尾店の浅原広途店長は「顧客には物件のマイナス面も説明し、納得してもらった上で契約する。知識のない人には、敷金や礼金など取引の基本的な仕組みも丁寧に説明します」と強調する。