2013.11.18 15:30
フランス・首都パリ市街【拡大】
だが、ネットでの注文方法を聞くと、即座に「ノン」。「インターネットは嫌いだし、使わない」。ユシェもやはりどこか時代遅れの男だった。
パリにいる間、毎日10キロ以上歩いた。1920年代にヘミングウェーが住んだカルティエラタンのアパートを訪ね、セーヌ川まで坂道を下った。
「河岸に並ぶ露天の古本屋では、刊行されたばかりのアメリカの本がかなり安い値段で売られているのをときどき見かけた」(「移動祝祭日」)
1世紀近い時が流れても、変わらない風景があり、昔ながらの生き方を続ける人々がいる。それが、パリという都市が、人々を引きつけてやまぬ秘密なのだろう。(敬称略、共同/SANKEI EXPRESS)