電力小売りの全面自由化などの電力システム改革に向けた改正電気事業法が11月13日の参院本会議で自民、公明、民主各党などの賛成多数で可決、成立した。2020年までに3段階で進める改革の第1弾で、電力大手の発電と送配電部門を別会社にする「発送電分離」を実現する工程を明記した。
改正法は、2015年をめどに電力需給を全国規模で調整する「広域系統運用機関」の設立が柱。付則には、16年をめどに電力小売りの全面自由化、18~20年をめどに発送電分離の実施を目指し、14年と15年の通常国会にそれぞれ必要な電気事業法改正案を提出するとした。
広域系統運用機関は電気事業者間の全国的な需給調整を担う。災害などで地域的な電力不足が発生した際には、他の地域の電気事業者に発電量の拡大や電力融通を指示する強い権限を持つ。
システム改革は、東日本大震災後の全国的な電力不足などを契機に民主党政権で検討が始まった。
自民党への政権交代後、安倍晋三政権が基本路線を踏襲し、先の通常国会に法案を提出したが、与野党対立のあおりで廃案となり、政府が改めて臨時国会に提出した。