引退が明らかにされた日本アニメ映画の巨匠、宮崎駿監督(72)の新作「風立ちぬ」が9月1日夜(日本時間2日未明)、イタリアで開催中の第70回ベネチア国際映画祭で公式上映され、観客から約5分間のスタンディングオベーションを送られた。
上映後、ヒロインの声を演じた女優の瀧本美織さん(21)は、宮崎監督のことを思い浮かべながら観賞したと涙をみせ、「監督に感謝の気持ちを伝えたいです」と話した。
会場には、作品中に「カプローニおじさん」として登場するイタリアの飛行機設計者の孫、イタロ・カプローニさん(38)も姿をみせ、「私のイメージどおりの祖父が描かれていて信じられなかった」と語った。
細部までこだわり
宮崎監督引退のニュースは、国内外に波紋を広げている。映画監督の引退表明は極めて異例で、自ら細部に関わる「宮崎スタイル」の限界を指摘する声も聞こえた。