世界最大の米交流サイト、フェイスブック(FB)を利用する若者は、FBをチェックすればするほど、友人たちの日常の方が素晴らしく思えてきて、気分が落ち込み悲しい気分になってくる-。
こんな研究結果が8月18日までに米オンライン科学誌プロスワンに発表された。調査を手掛けた米ミシガン大学の研究チームは「FBは表面上、社会とつながりたいという人間の基本的な欲求を満たしてくれる貴重なツールに思えるが、(ユーザーの)幸福度はむしろ、蝕(むしば)まれている」と警告している。
この調査は、FBがユーザーの幸福感や生活の満足感にどのような影響を与えているかについてまとめた初の研究結果として、英BBC放送や米ABCニュース(いずれも電子版)などが大きく伝えた。ミシガン大学は、米の消費者マインドを探る代表指標「ミシガン大学消費者態度指数」でも知られている。
楽しそうな他人の生活
研究チームは、スマートフォン(高機能携帯電話)を所有し、スマホから自分のFBのアカウントをチェックしている若者82人(平均年齢20歳)の協力を得て、2週間にわたり、彼らに毎日、朝10時から深夜0時までに「いまどんな気持ちですか?」「いま、どのくらい寂しいと感じていますか?」といった計5つの質問をテキストメッセージで不定時に送信、幸福感を調べた。