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北海道・北東北 縄文遺跡群が世界遺産へ、ユネスコに登録勧告

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田)を世界文化遺産に登録するよう勧告したことが26日、分かった。正式な登録可否は、7月16~31日にオンライン開催されるユネスコ世界遺産委員会で審査される。登録勧告を受けた日本の推薦遺産が結果を覆された事例はなく、登録はほぼ確実となった。

 縄文遺跡群は、国の特別史跡に指定されている三内丸山(さんないまるやま)遺跡(青森市)と大湯環状列石(秋田県鹿角市)をはじめとする17遺跡で構成。農耕に移行せず、狩猟・採集・漁労を基盤とした生活を変えないまま長く定住し、高度な精神文化を培っていた縄文人の生活実態を示す物証として価値の高さが認められた。

 当時の北海道や北東北は土器や狩猟道具、埋葬方法などが共通するとされ、農耕によらない定住生活が1万年以上続いた状況を17遺跡により説明可能とし、政府は2020年に縄文遺跡群を世界遺産に推薦した。

 当初は20年の登録を目指して19年に推薦する候補とされたが、ユネスコの審査は年に1国1件とされていたため、政府は自然遺産を優先。遺跡群を1年先送りした。だが、20年の審査が新型コロナウイルスで延期され、今年は20年に審査予定だった候補と21年分とを合わせて審査する。

 自然遺産候補の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表(いりおもて)島」(鹿児島、沖縄)にも登録勧告が今月10日に出ており、いずれも決定すれば日本の世界遺産は文化20、自然5の計25件となる。

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