新型コロナウイルスの感染が拡大する中、東京都渋谷区の長谷部健区長が22日、区役所で記者会見を開き、例年、渋谷駅周辺などに群衆が集まるハロウィーンでの「3密」を避け、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんのライブなどが予定されている仮想空間「バーチャル渋谷」でのイベント参加を呼びかけた。
ハロウィーンでは例年、同駅周辺など騒ぎが起こり、ゴミの散乱も社会問題化。平成30年には男らが軽トラックを横倒しにするなど、20人以上が逮捕された。同区は渋谷センター街などの路上でハロウィーン期間の飲酒を禁じる条例を施行するなど対策を進めてきた。
長谷部氏は会見で、KDDIなどとともに開設した渋谷を舞台にした仮想空間「バーチャル渋谷」でハロウィーンを楽しむよう要請。日本初の「自治体公認」の仮想空間で、スマートフォンなどで仮想空間の渋谷の街をアバター(分身)になって歩き回ることができる。
ハロウィーンの期間の26~31日は、バーチャル渋谷の街並みがハロウィーンのデコレーションに変貌。ライブや、アバターの仮装コンテストなど、さまざまなイベントが開かれる。
インターネット上では、「渋谷のハロウィーンくらい自由にやらせてくれ」とする書き込みなどが確認されているというが、長谷部区長は「実際に渋谷に来なくても(仮想空間で)渋谷に対する愛情を深めていただきたい。夜通し路上でたむろするなどの行為は慎んでほしい」と強調した。