デキる男は住まいから

今こそモノを持たない生活を シンプルに生きる「ミニマリスト」という選択 (1/2ページ)

香村薫
香村薫

 コロナ禍でモノを手放したり、家の中を片づけた、という方が多くいらっしゃいます。「モノを持たない暮らし」と検索すると“ミニマリスト”というワードが挙がってきます。ミニマリストとは「最小限のモノで心豊かに暮らす人」のことをいいます。実際、「ミニマリストになりたいのですがどうすればよいですか?」という質問を頂くこともあります。今回はそんな「ミニマリスト生活を送りたい」という方に向けて、私がモノの考え方のアドバイスをさせて頂きます。

 災害を想定してみる

 奇しくも全国各地で水害が多発しています。もし皆さんのお住まいが災害に遭ったら、そのときモノは命を助けてくれるでしょうか? 実は「モノを持たない暮らし」を実践している方の中には災害をキッカケに「モノを手放そう」と意識の変化があった方が少なくないのです。もちろん暮らしが困難になるほどのモノを手放す必要はありません。家族の命を守ることを第一に考えて災害をシミュレーションしてみましょう。

・リビングから玄関まで逃げる動線上に邪魔になるモノは無いか?

 (廊下に置きっぱなしの段ボールや玄関に乱雑に置かれた靴など)

・不安定に積み上げているモノは無いか?

 (あとから読もうと思って放置している本や、送料対策で買った通販購入品の山など)

・重たいモノが上の方に置いたままになっていないか?

 (吊戸棚や天袋に置いたままの引き出物の食器など)

 家族みんなで家の中を見て回り、気になった箇所のモノを精査することから始めるとスムーズですね。

 自分が最期のときに何を思い出すか?

 例えば目の前に、「このバッグ、捨てるのがもったいない」と悩むバッグがあるとします。そのことを自分が病床で死を目前にしたときに思い出すでしょうか? 私は父親の最期7日間を病床で寄り添った経験があるのですが、父の場合、繰り返し話していたのは「あの旅行でこんなことがあった」「あのときは楽しかった」といった家族の思い出話ばかりで、背伸びして買った高級車の話は一度も出ませんでした。もし今、目の前にあるモノで悩むのなら、「これが自分にとって最期に思い出したいモノになる?」と自分自身に問いかけてみてはいかがでしょうか?

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