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保育士を助けるロボット 子供と向き合う時間増やす (1/2ページ)

 保育業界で、ロボットをはじめとするICT(情報通信技術)の活用が始まっている。子供に楽しみを提供し、保育士の事務作業を減らすなど、さまざまな場面を支える先進技術だ。導入が進む私立認可保育所「あい・あい保育園東池袋園」(東京都豊島区)をたずねてみた。(牛田久美、戸谷真美)

 「オハヨウ、ふうかチャン。今日ハ何シテ遊ブノ?」「あいかチャン、今日ハトテモ寒イネ」

 姉妹を迎えるのは保育ロボット「VEVO」(ビーボ、身長約70センチ)。声かけの内容は子供によって変わる。姉妹はビーボにあいさつして、そばで待つ保育士と奥へ。父親の自衛隊員、真野信悟さん(43)は初めて会ったときの印象を「子供の世界までロボットが広がっていて驚いた」と語った。

 ビーボは保育業務を支援する「チャイルドケアシステム」の一部だ。保育、介護のICT事業を柱とする「グローバルブリッヂホールディングス」傘下の企業が群馬大と共同開発した。

 昼寝中は園児の衣類に付けたセンサーが寝返りや呼吸を常時計測し、ビーボに送信する。異常時は警報音で知らせる。導入前は保育士が5分おきに様子を確認し、紙に記録していた。

 帰宅時はビーボが保護者に日中の様子を伝える。親からは「昼の献立を聞いて夕飯を変更した」「昼寝が短かったようだから一緒に早く寝た」という声も。早番で帰る保育士が保護者への伝言をビーボに託すことも。保育スタッフの“一員”として保育園と家庭を支える。

                    

 保育士の負担軽減にも一役買っている。ビーボが計測した登降園時刻を元に、園児ごとに在園時間と延長保育料を自動で算出。園児の在園状況から最適な保育士のシフト管理もできる。高山京子施設長(40)は「手作業の事務を削減できて保育に専念できる」。年間約350万円の人件費を節減したという。

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