【河谷隆司の侍イングリッシュ】お腹いっぱい

 ■no space for more food.

 外国人の友人夫妻と食事中、満腹のところ「もうひと品いかが?」とすすめられて、食後のデザートの入る余地だけは死守したいとき、あなたはなんと言ってやんわり断るでしょうか?

 “I cannot eat any more.(もう食べられません)”でしょうか。“I’m full.(お腹(なか)いっぱい)”でしょうか。こうした場面で用いることのできる表現が“My stomach has no space for more food.”です。お腹の余地がもうないという、可愛(かわい)らしくてお洒落(しゃれ)な表現です。

 高級レストランでも、カジュアルな食事処(どころ)でも場所を選ばず使うことができます。

 私が初めてこの表現を聞いたのは、シンガポールの屋外のレストランでした。外資系の航空貨物会社で外国人社長の秘書をしているシンガポール人の言葉です。

 デザートの時間となり、彼女はどうするのかなと見ていると、なんとティラミスを頼むではありませんか。意地悪をして“Does your stomach have enough space for more food(まだ食べられるの)?”と聞くと、返事は“No,dessert is different.(いえ、デザートは別です)”。

 さしずめ別腹ということですから、“I always have room for dessert.”という言い方も使えます。roomはspaceと同じ「余地」という意味です。

 ぜひ今度使ってみてください。

 See you again!(異文化マネジメント・コンサルタント)