血液で脂肪肝判定 健診に実用化目指す

 聖路加国際大(東京)と島津製作所(京都)は25日までに、肥満や糖尿病の人に多い「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」かどうかを判定するのに使える血液中の物質を特定したと発表した。

 健康診断などで調べれば早期発見できるようになり、肝硬変や肝臓がんに悪化するのを防げる可能性があるという。島津製作所は2020年の臨床応用を目指す。

 NAFLDは飲酒量が少ないにもかかわらず、肝臓に脂肪がたまる病気で、進行すれば肝臓がんになる恐れがある。原因として生活習慣病との関連が指摘されており、日本には1千万人以上の患者がいるとされる。診断には超音波検査や肝生検などが使われるが、手間と費用がかかりすぎる点が課題となっている。

 今回、聖路加国際病院で15~16年に人間ドックを受けた3733人の血液を採取して分析。NAFLDと診断された826人の患者は「グルタミン酸」などの70種の物質の量が健常者と異なることが分かった。