【ゆうゆうLife】筋ジストロフィー 重症「デュシェンヌ型」に新薬開発進む 日本でも2種の候補薬治験 (1/3ページ)

 ■核酸医薬品に臨床試験

 全身の筋肉が徐々に減っていく難病「筋ジストロフィー」。その最も重症な「デュシェンヌ型」に対する新しい薬の開発が進み、患者に投与される段階を迎えている。中心になっているのは、次世代の薬として注目される「核酸医薬品」。日本でも2種の候補薬の臨床試験(治験)が行われ、第一関門である安全性については確認できたとしている。

 ◆次世代バイオ薬

 デュシェンヌ型は、男児5000人に1人の割合で発症する希少疾患だ。遺伝子の異常で「ジストロフィン」という重要なタンパク質を体内で作れないため、幼少期から運動機能や呼吸器などの障害が徐々に進行していく。現在、根治療法はなく、30~40代で死亡することが多い。

 筋ジス治療法の研究開発に長く取り組んできた国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の武田伸一理事によると、核酸医薬品がデュシェンヌ型の治療に使えそうだという機運が高まったのは平成21年ごろから。

 核酸医薬品は、遺伝子の構成成分である核酸を活用し、遺伝子の働きを抑えたり、促進したりする働きがある。遺伝子に原因があるさまざまな難治疾患に治療の可能性を開くバイオ医薬品として、世界中で研究されている。

 ◆「軽症化」戦略

 どう治療するのか。代表的なのは「エクソンスキップ」という手法だ。

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